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父子の邂逅、バナージとUCガンダムの覚醒

機動戦士ガンダムUC 2 ユニコーンの日(下) (角川コミックス・エース 189-2)
本書は20年程前の映画「機動戦士ガンダム・逆襲のシャア」の数年後の世界を乱歩賞作家の福井晴敏氏が、富野氏が描いたガンダムの世界観を継承・発展させながら描いており、正統なガンダム小説としても福井氏の新作小説としても十分に楽しめると思います。

軍需産業を中心に政府と癒着して成長してきたコングロマリット企業のアナハイム・エレクトロニクス(AF)社の筆頭株主として政財界に巨大な影響力を持つビスト財団の当主は財団創設者の祖父から受け継いだ「内なる可能性を持って、人の人たる力とやさしさを世界に示す」という理念実現の為、ある行動を実行に移し、主人公の少年(バナージ)と少女(オードリー)、地球連邦政府(軍)、ビスト財団、AF社、ネオ・ジオン、それぞれの思惑が交錯する中、バナージと父の邂逅、そして、彼とユニコーンガンダムの覚醒までが描かれています。

過去のガンダムの主人公アムロとカミーユの父子関係は正に富野ガンダムが我々に家族の有り様を投げかけた重要なアンチテーゼでしたが、バナージと父の魂の邂逅は福井氏であるが故に描き得た世界であり、その「必然なる偶然」と「人が持つ心のやさしさに」の描かれ方に心が打たれました。第1巻同様、21世紀の「戦争と平和」たる新ガンダム叙事詩の長いフィナーレに向けた第2章として、楽しくかつ感動を持って一気に読むことが出来ると思います。

引用元:父子の邂逅、バナージとUCガンダムの覚醒
機動戦士ガンダムUC 2 ユニコーンの日(下) (角川コミックス・エース 189-2)
映像化が決まったガンダムUCも佳境の第八巻。今回は七巻のような派手な戦闘シーンは少ないが、一通り全キャラクターの今後の道筋が見えて来た。しかし福井氏の小説は、相変わらずキャラがいいなあ。主要キャラだけでなく、脇役にまでしっかりとバックボーンを描くのがこの人の特徴だが、今回のゲスト出演であるジオン共和国の兵士までしっかりと描いてくれる。これだから福井晴敏の小説は感情移入しやすいのだ。さらに今回は、フロンタルが初めて目的を話すシーンがある。それが本心なのかはまだ分からないが、今まで全く見えなかったものがおぼろげながら見えてきた。一度ミネバの行動に、え!と思うが最後にはうまく着地するし、マリーダの復活も嬉しい限り。長い旅の終着点も判明し、9巻以降ラストまで止まることなく走るのかも知れない。今後も目が離せないのは当然として、映像にも期待したい。
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